夏期講習に備えて、問題集を買いに行ってきました。
あらかじめ、それぞれの科目の現状(定期テストの出来)や得意不得意についてお伺いして、それぞれのお子さんに合いそうなものを選ぶのは、ほんとうに楽しい時間でした。
問題集の中身をつぶさに調べてみると、それぞれ独自の工夫がなされていて、中にはわたしが長年探していた、稀有な問題集にもお目にかかることもできて、ちょっとした娯楽施設のようでした。3人の生徒さんの問題集を選ぶだけなのに、気づけば1時間半もたっていました。
問題集を選ぶ際に気を付けていることについて書いてみます。
厚み
厚み。問題集の、です。
厚いということはそれなりの勉強量が必要となるでしょうから、これまで勉強の習慣があまりなかった生徒にとっては、その厚みを見ただけでやる気を失うことも考えられます。
その「厚み」は「勉強量」だと思って、その生徒さんにそれが耐えられる量かどうかを考えます。
難易度
思わず「厚み」を冒頭に挙げてしまいましたが、本来は「難易度」が最優先されるべき判断基準です。
同じ出版社から複数のシリーズの問題集が出ている場合、大抵難易度が異なります。同じシリーズで全教科そろえたくなる衝動を抑えて、教科ごとのレベルに合ったものを選択すると効果的です。
タイトルや内容からも難易度はわかりますが、出版社はそれぞれのシリーズの難易度を公開していることがよくありますので、その生徒の現在の学力に合ったものを選びます。
その他の工夫
例題
おもに数学の問題集に言えることですが、受験用の数学の問題集のほとんどに、例題がありません。問題ばかりがズラズラっと並んでいるのです。これは、基本レベルと明示されている問題集でさえそうなのですが、中1、2年生の既習事項を忘れてしまっている受験生もいるでしょうから、数学が得意ではない場合には、各章の冒頭に例題が掲載されている問題集を選ぶと、解き方を思い出せるのではないかと思います。
思考プロセスがわかる穴埋め問題
これもおもに数学ですが、文章題や証明の問題に苦手意識をもっている生徒は多いと思います。そのような生徒には、解答の一部のみ穴埋め形式で答え、解答に至るプロセスを順を追って学べる問題集はハードルが低いでしょう。最初はそのようにして穴埋めで答えていると、徐々に自力で解けるようになります。
中1、2から使える長文読解の問題集
長文というのは一文一文の集まりにすぎないのですが、苦手意識をもつ生徒が少なからずいます。
中3で長文が読めない一つの理由は、中3から分詞構文や関係代名詞など、やや複雑な構文が出てくるのことですが、中2の時点ですでに簡単な長文に苦手意識をもつ生徒もいます。英語を読む量を増やすことは一つの解決策になりますので、長文の練習を中3まで待たず、中2からできるだけ長文の問題に慣れておくとよいでしょう。
今回の問題集購入ツアーで,中2のうちから解ける長文問題集を何冊か手に入れることができました。また,ステップ式の長文問題集も購入して,ほくほくしながら重い荷物を持ち帰りました。
英単語集
高校入試では英語のつづりも問われるため、基本的な英単語をしっかりと暗記する必要があります。が、単語の暗記は単調な作業で決して楽しいとは言えません。
これを楽しい作業にしようと、さまざまな工夫がこらされています。例えば、長文の中で単語を覚えようとするもの。
『速読英単語』は難関大学入試に使用されていますが、中学生版もあります。
単語だけでなく長文対策にもなりますし、音声を併用すればリスニング・スピーキング対策にもなる優れものです。
また、わたしが発見した塾用の単語集は、穴埋めをしながら和文英訳をするというもので、単語だけでなく英作文の練習にもなります。
ただ単語を覚えるのがつまらない、という人は、一石二鳥型の単語集を使って覚えていくとよいかもしれません。