夏期講習に熱心に通ってくださった生徒さんが,夏休み明けの定期テストで5教科100点超アップの成果を出しました。

こういうとき,点数そのものも嬉しいのですが,生徒さんが自信ややる気を増すことが何より嬉しいことです。

このことをきっかけに,学力アップに必要なのは質なのか量なのか,という疑問について考えてみました。
まず,結論から。

どちらか一方だけでは効果なし。ただし,手っ取り早く取り組みやすいのは量を増やすこと。
その後目指したいのは,質を上げる工夫をすること。

学力アップに必要なもの

学力を上げたい,成績を上げたい,という場合,今のやり方を見直す必要があります。

学力アップに必要な要素として,「勉強時間」と「勉強の質」があります。
この二つの関係は,足し算ではなく,掛け算です。

勉強時間×勉強の質=学力アップの度合い


すなわち,どちらかがゼロならば学力アップの度合いもゼロなのです。
ですから,量も質も必要,ということになります。

ごく当たり前のことです。おそらく,勉強時間がゼロに近ければ学力が上がらない,ということはだれにでも理解できると思います。でも,中身の伴わない,質の低い勉強をしていても効果がないということを本当に理解している生徒がどれだけいるだろうか,と思うのです。(感覚的に,中1の時点でこれを理解できているのは5%程だという気がします。あくまでもわたしの感覚であって,まったく根拠はありませんが。)

勉強の質

「勉強の質」とは何を指しているのでしょうか。

わたしは,「集中力」と「効率のよい勉強方法」の,これも掛け算の産物だと考えています。

まず,「集中力」について。ここでいう集中力とは,学ぼうという意図をもって,ほかのことに気を取られることなく目標に向かって黙々と努力する姿勢です。


よく見受けられるのは,勉強時間で自分の成果を測っているために,目標時間を「過ごす」ことに集中しているパターンです。例えば一日の勉強時間を設定しているような場合,ともかくその時間を机の前で過ごすことが目的となってしまい,集中力を欠いている場合があります。

また,集中力は学習者のやる気と密接に結びついており,自分の意志で勉強していない,つまり塾や親に「勉強させられている」ような状態では効果が出ません。思春期の子供のやる気を喚起することは一筋縄ではいきません。おそらく,多くのご家庭で苦労するのはこの部分だと思います。このことについて書くと長くなりますので,またいつか書いてみたいと思います。

次に「効率的な勉強方法」について。勉強方法には効果の大きいものとそうでないものがあります。例えば,小学校で,漢字を20回書いてきなさい,という宿題がよく出されますが,あれは効果の薄い勉強方法の代表でしょう。中学になってもまだこういう宿題を試験前に提出させて効率のよい試験勉強の邪魔をするのは,悪しき慣習だと思います。

塾は効率的な勉強ができるよう,最も効率のよいスケジュールで授業をこなしつつ,効果的な宿題を出します。わたしも,それぞれの生徒に最適な教材と勉強方法を常に考えています。もちろん,これに従って黙々と勉強できることはとてもすばらしいことですが,最終的な目標は,最も効率的,つまり自分に合った勉強法は何かということを生徒自らが考え,トライアンドエラーを重ねて結果を出していくことです。

塾が生徒の隣で伴走できるのはほんの数年間。残りの人生の支えとなる力をつけてもらえるよう,終わりなき試行錯誤を繰り返します。