
先日,勉強に大切なのは質か量か,という記事を書きました。≫「勉強は質か量か」
この勉強時間についてさらに書いてみたいと思います。
見逃しがちな「勉強時間」
学力アップには「勉強時間」と「勉強の質」の両方が必要であり,どちらがゼロでも結果はゼロになります。
「でも,友達は試験前にノー勉(勉強をしない)なのに高得点を取ってるじゃないか。」
というご意見があるかもしれません。
確かに,クラスには1,2人そんな生徒がいます。
そういう生徒と一緒になって,テスト前にゲームをしていてはいけません。
なぜなら,そのような生徒の勉強時間は実のところゼロではないからです。
見逃しがちな勉強時間があります。それは学校の授業時間です。
一日の大半は学校で勉強しており,その授業時間をどう過ごすかは学力アップの大きな鍵になります。
このテスト前に勉強しない生徒も,実は学校で長時間勉強していて,インプットとアウトプットをそこで完結させているため,家庭学習を必要としないのです。
小学校時代を思い出してください。小学校は授業の進度がゆっくりなので,特にテスト前に勉強しなくても,学校の授業と少しの宿題だけで何とかなったのではないでしょうか。
それでも,足し算もままならなかった子供たちがいつしか割り算をできるようになり,ひらがなも書けなかった子供たちが何百もの漢字を書けるようになるのですから,学校の授業は偉大です。
学校の授業を最大限に生かす
塾に行っても成績が上がらない,という場合に,塾に通っていること自体に安心してしまって学校の授業をおろそかにしているケースがあります。
ここで考えていただきたいのは,塾で費やす時間です。一教科,週に90分としましょう。
一方,学校の授業で英数の授業にどれだけ時間を費やしているでしょうか。週4回だとして,50分×4回=200分です。授業時間に比べ,塾で勉強している時間は意外と短いことが分かります。
ですから,この長い授業時間をどのように過ごすかは非常に重要です。
寝ていたり,ぼーっとしたりしている人は,授業の受け方を改善することをお勧めします。
部活などで家庭学習の時間がなかなか取れない人こそ,授業時間を充実させるとよいでしょう。
授業内ですべての勉強を完結させる,という気持ちで臨むのです。
先生の話をただ聞くのではなく覚えようとしながら耳を傾け,ただ板書をノートにうつすのではなく重要なことをメモし,練習問題を解きまくり,しっかりと答え合わせをし,印をつけ,解き直します。
授業が理解できない場合
授業内に理解しようと頑張っているのに難しいという場合はどうすればいいのでしょうか。
お勧めしたいことは,予習です。
予習をすることで,ゼロの状態から授業を受ける必要がなくなるため,授業の理解度が高まります。
学校の授業を理解できないまま50分聞き続けるよりも,ある程度理解したうえで,分からないところに絞って授業を受ける方が,より集中して効率よく授業の内容を吸収することができるでしょう。
具体的な予習の方法ですが,英語であれば,教科書本文の日本語訳を一通りノートに書いてから授業に臨みます。
予習の時点ですべてを理解する必要はありません。予習ですから,当然新出文法なども教科書本文に含まれるわけで,分からないことが出てくるでしょう。『教科書ガイド』等の参考書を見ながら,分からないところを調べ,より完全な予習をしてももちろんいいのですが,これには時間がかかります。
分からないところには付箋をはったり印をつけておき,授業ではそこに焦点を当てて理解しようと努めるだけで授業の理解度は各段に増すはずです。
また,分からない英単語は辞書を引く方がよいと言われることもありますが,これも理想ではありますが,時間かかるため,『教科書ガイド』などで確認してしまってもよいと思います。
完璧な予習を目指すあまり億劫でやらないよりも,5分でも10分でもいいので予習して臨むと,授業が自分の身になるでしょう。
勉強が得意でない人の勉強時間確保のアイデア
授業時間だけで勉強時間が足りる生徒もいれば,テスト2週間前だけの勉強だけで足りる生徒もいれば,塾に通いつめてようやく学校の授業についていける,という生徒もいます。
成績を上げたいという場合,一番簡単にできることは勉強時間を長くすることです。テスト前2週間しか勉強していないならテスト前3週間勉強してみる,毎日1時間勉強しているならば1時間半にしてみる。
しかし,時間は無限ではありません。1日は24時間,1年は365日,そして中学生活は3年間という限りがあります。
もしこれが4年間だったらどうでしょう。4年間で中学3年分の内容を勉強できるとしたら,随分とラクになるのではないでしょうか。
5教科のうち,1教科だけでも常に1年分先を進めたら,テストのたびに勉強しなければならない教科が一つ減るのです。
勉強が苦手な小学生,中学では部活などに時間を割きたい小学生には,ぜひこの4年計画をお勧めします。
当塾でも,来年より小学生の指導に力を入れる準備を進めております。先取り主義,小中高一貫英語教育の始まりです。