中学校の定期テストの季節がやってきました。 中1,中2生は定期テストに向けて勉強するのみですが,中3生の場合は注意が必要です。中3生は定期テストと並行して受験対策をしなければならないため,どの程度定期テストに力を入れるかは,各自の状況に応じて決定する必要があります。 その基準となるのが,志望校の受験における内申点の重要性です。
例えば,第一志望が推薦入試の私立高校で,中3の1学期の内申で一定の評定を出さなければならない,というような場合は,定期テストにそれなりに力を入れる必要があるでしょう。
一方,私立入試でも内申は考慮されない場合には,定期テスト対策はそこそこにとどめ,受験対策に重きを置く方がよいと思われます。
公立高校を第一志望とする場合も,中3の内申点が受験に占める割合を調べておく必要があります。都道府県によっては,中3の内申しか受験で使われず,しかも副教科の評定が5教科の2倍の重みをもつようなところもあります。その場合には,中3の副教科のテストも全力で臨む必要があるでしょう。
千葉県について言うと,内申点の総合得点に占める割合は比較的低いと言えます。
入試当日の学力検査の得点(500点)+内申点(45点×3年=135点)×K ≒ 総合得点
実際には,学力検査や内申点のほかに,学校により調査書の加点があったり,学校の独自検査の得点が加わったりするのですが,上位校については,それらの得点では差がつかないようですので,この時点では,入試当日の学力検査と内申点の割合が500:135(K値が1の場合)であり,中3のこの時点ではすでに2年分が決まっているため,135点の内,これから変えられるのは最大45点であることをしっかりと心に留めておく必要があります。
つまり,定期テストで100点を狙うような,重箱の隅をつつくような定期テスト対策に時間をかけることは賢明ではなく,中3以降は,これから変えられる余地が500点も残されている学力検査の得点に結びつく勉強に比重を置くべきです。
さらに,上位校は2021年度より1回入試になったのに伴い,内申点にかけるK値が低くなった学校もあります
入試当日の学力検査の得点(500点)+内申点(45点×3年=135点)×K ≒ 総合得点
このK値を0.5と定めた上位高校が多いことが,千葉県立高校入試一本化の特徴の一つです。県立千葉高校,県立船橋高校,東葛飾高校はすべてo.5,さらにこの辺りでいうと,小金高校も0.5です。</p>
つまり,内申点は3年分でも67.5点満点で,中3のみで言えば22.5点。
中3の定期テストで左右できるのは残り22.5点,1教科につき2.5点しかないのです。
中3で学習する内容は入試において重要ですから,一定の程度の得点ができるように最善を尽くすことは大事ですが,受験勉強を犠牲にするほど定期テスト対策を深追いしないよう,バランスを取ることが重要です。
もちろん,中1,中2生は全力で定期テスト対策に臨みます。この2学年にとっては,定期テスト対策がそのまま受験対策になります。