令和3年度千葉県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果が公表されました。

この結果から,千葉県公立高校入試の戦い方のヒントを得ることができます。

5教科均等に点数を取ることを目指さない

例えば,千葉県の公立高校入試で当日点400点取りたい,という場合,

80点×5教科=400点

を目標にするべきではありません。

千葉県教育委員会は毎年,千葉県公立高校入試の教科別の得点分布を公表しています。

例えば,令和3年度の国語と英語の得点分布は以下の通りでした。

千葉県入試で最も得点分布に違いがあるのが,国語と英語ではないかと思います。

まず,国語では,90点以上を取る受験生はほぼいません。80点以上を得点する受験生でも,全体の1割に達していません。

一方,英語では,全体の17%ほどが90点以上を取り,全体の3分の1が80点以上得点できる,ということが見て取れます。

千葉県の公立高校入試の場合,国語は上位高校を受験するような生徒であっても80点以上得点するのは難しい教科ですから,目標点も下げなければなりません。

国語で高得点が望めなないということになると,当然ほかの教科で補填しなければなりません。

いきおい,5教科の中で最も9割以上取りやすい英語に目が向きます。

この二つの資料を見ただけでも,5教科の目標点は,以下のように変わります。

国語:70点

数学:80点

理科:80点

社会:80点

英語:90点

残りの数学,理科,社会の得点分布も若干異なりますし,さらに受験生自身の得手不得手も加味すると,適切な各教科の目標点が導き出せるはずです。

適切な目標点を設定することにより,それぞれの教科の対策に適切に時間を配分することができ,効率のよい受験勉強へとつながります。

英語は最も100点を取りやすい教科

千葉県公立高校入試では,英語が最も高得点を取りやすい教科です。

令和3年度は50分の試験時間が60分となり,難化をにおわせましたが,終わってみれば平均点の最も高い教科となりました。

上位高校を志望する生徒は,英語で失点を最小限にとどめられるよう,過去問研究を丁寧に行うとよいでしょう。

比較的簡単な英語で正答率が低いのは,以下の項目でした:

英作文(配点:8点)

最も正答率が低かったのは,絵を見て状況を把握し,対話を完成させる問題です。

8点満点中,8点を取ったのは6.7% ,5~7点が24.4%,1~4点が33.4%でした。

・対話の流れに適した内容

・正確な単語の綴り

・文法のルールに従った文章

これらをふまえた文章を書けるよう,普段から英→日だけでなく日→英の訓練を積む必要があります。

英語の質問に英語で答える問題(配点4点)

長文読解の内容について,英語の質問に英語で答える問題です。

4満点中4点を取ったのが13.8%,1-3点は33.3%でした。

長文の問題というと,本文の読解に気合を入れるけれども,問題文の正確な読み取りに注力するのを怠る生徒がよく見受けられます。

質問文も含めて長文の一部だと思って正確に質問を読み,適切な答え方をよく検討する必要があります。
時間に追われていると,この部分がおざなりになることがあるので,読むスピードを速くしていく訓練も併せて必要です。

英語による自己表現(配点4点)

対話文の問題で,会話文の流れに合うように表現する問題です。

満点は20.4%,1-3点は25.7%。

正答率の最も低い問題は,やはり英作文を伴う3問でした。

空欄補充問題

英作文を伴う問題に続いて正答率が低かったのは,空欄補充問題です。

空欄補充問題は2問ありました。

1問は,短文読解で内容と合う英語を補充する問題。こちらは正答率44.8%。

もう1問は,長文読解で文脈に合わせて英語を補充する問題。正答率は33.8%。

空欄補充問題も,本文の理解に加え,空欄の含まれる文そのものを正確に理解することが欠かせません。

空欄を除いて正確に和訳し,空欄の単語の品詞を特定すると,8割の作業を終わったといえます。

この作業を丁寧にせずに,記憶からなんとなく単語をひねり出してこようとしたり,本文を探し始めても,結局正解にたどりつくのが遅くなったり,たどりつけなかったりするので,準備作業が大切です。

今年の教科書改訂で,令和4年度以降の英語は難化の可能性もありますから,単語と新たに加わった文法事項(仮定法,現在完了進行形,原形不定詞)などもしっかり応用できるよう準備しておく必要があります。

当塾の中3クラスでは,中学の文法を教え終えていますので,夏休みまでに文法の復習と長文対策を進め,夏休みには過去問個別対策で,個々の生徒の弱点を特定し,穴を埋めていきます。

英語だけでも安定して高得点が取れれば,入試での安心材料が一つ増えますし,早めに完成できれば,ほかの教科に注力できるでしょう。一回入試になった千葉県入試で心の支えがあることは,入試当日の力になります。英語がその支えとなれるよう,引き続き生徒さん一人一人をよく観察しながら,それぞれの合った対策を検討して参ります。

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